契約書に書かれていることはお互いに守らなければ
いけません。しかし、どんなことでも
守らないといけないわけではありません。
例えば、

第〇条 約束を破ったら相手をケガさせてもよい。

という条文があっても、無効ですよね?
細かい話ですが公序良俗違反やその他法律に違反するから無効なのです。

相手をケガさせてもよいなんて条文が無効であることは
誰にも理解できることですが、内容によっては法律を理解していないと
無効になってしまうことに気づかず契約してしまうことが
あり得ます。

借地においては、借地借家法の中で、”強行規定”として
第3~8,10,13,14,17~19条において、
賃借人(又は転借人)に不利なものは、無効とする。
(30年未満の事業用定期借地の場合は10、14、17、19条においてのみ)

という文言があります。この法律より借主が不利な条文は”無効”になります。

要約すると
1.貸主は借主が契約更新を希望したら実務上ほぼ拒絶できないのと、
  拒絶した場合の取り扱いについて(定期借地は除外)と、
2.建物の第3者への売却は認められるということ。

となります。強行規定とは他に、
最高裁判決により強行法規とされているのが
3.第11条の賃料増減額請求権です。

これは借地も借家も同様で、仮に特約で
”賃料の増減はしない”
などと書かれていても裁判になれば借主に不利な部分が排除され、
”賃料の増額請求は認められないが減額請求は認められる”という
内容に解釈されてしまいます。
(※ただし、定期借家契約の場合は賃料固定の特約でも有効となります。)