分家住宅の許可と売却

弊社によくお問合せいただく分家住宅の売却について
書きたいと思います。

まず、分家住宅は許可を得て建てるものですが、
調整区域に限ったお話です。

調整区域には基本的に住宅は建ちませんが、
分家住宅は許可を得て建てることができる1つの規定です。
また、似たようなものに農家住宅というものが
ありますが、こちらは許可不要で建てることができます。

分家住宅の許可は都市計画法の許可のことですが、
多くのケースでは農地転用の許可を伴います。

調整区域で農地転用の許可を得ようとすると
かなり厳しい精査を受けますが、
分家住宅(や農家住宅)は比較的精査が甘い
市町村が多いようです。
これには理由があって、市街化区域と調整区域を
分けた際(昭和45年後頃)、調整区域に住む
人たちに配慮したためと言われています。

この分家住宅、土地が親(祖父母)のものであるケースと、
地元の調整区域の安い土地を買うケースがあります。
前者は許可が得られやすいですが、後者はその土地と実家の
距離などに細かな規定があるため、個別にご自身の市の
建築課等に相談に行く必要があります。

新築住宅を安く手に入れることができると喜んで建てる人は
多いと思います。
しかしメリットがあればデメリットもあります。

分家住宅の許可を得る際、宣誓書として
”転売いたしません”という書類を提出させられます。

どういうことかというと、分家住宅はその人本人に
許可を出したのであって、その夫や第三者には
許可していないのです。

あくまでも許可を出したその本人が住み続ける
(住民票を置き続ける)ことが原則です。

これを怠り、勝手に転勤などで住所を移したりすると・・

その家を売却できません!!

実は弊社にもそういった相談が多く舞い込みます。
住民票を移した理由にもよりますが、
ほとんどのケースで不許可にされてしまいます。

OKになるケースと言えば、80歳を超えて
住民票を施設に移さざるを得なかったケースなどです。
その場合でも介護保険証のコピーの提出を求められたりします。

岡崎市は15年以上住民票がある(実際に適正利用)のであれば、
理由は不問で許可を出すという、現実に即した市もありますが、

愛知県全体でいうと、基本的には”死ぬまで”、”重度障碍者になるまで”
適正利用するか、
10年以上適正利用した上で転勤などやむを得ない理由があった場合に
しか許可が下りません。

離婚の場合は条文にないので担当者レベルで迷うところのようですが、
10年以上適正利用が基本です。
以前、ある市(特例市)では7年適正利用して娘が継続利用している
というケースでしたが、許可しないということがありました。

一応、競売の場合は愛知県どこでもOKです。
競売で落札したものが許可されないでは訳が分からないですからね。

いずれにしても分家住宅は安く土地が手に入る分、
売却は難しいこと、
許可を受けた人(夫か妻か要確認)は住民票を
不用意に移さないことが重要です。

迷った場合、売却のご相談には
無料で対応しておりますのでお問合せ下さい。