調整区域の家が売れない!?

通常、モノでも不動産でも

自由に売買できます。

 

しかし、調整区域の場合自由に売買できない

可能性があります。

 

ひとつは農地。

農地法により、調整区域農地を買うには

資格等が必要です。

 

もうひとつは建物。

今回は建物の話を主としています。

分家住宅や、農家住宅などは

その人個人に対して許可が下りているので

売ったり贈与したりすることには

都市計画法の許可が必要です。

 

分家住宅の許可基準

https://www.pref.aichi.jp/kenchikushido/00shinchaku/1kijyunn.pdf

こちらにもしっかり書いてあります。

「申請に係る建築物は、自己の居住の用に供する1戸の専用住宅等であり・・」

自己の居住の用というのは、自分が使うのはいいけど

他の人はダメですよ、という意味です。

なので賃貸物件として貸すこともできません。

 

社会通念上というか、相続は許可不要です。

配偶者や子供など相続人は本人と同様とみなされます。

 

農家住宅や分家住宅を売ろうとすると、

愛知県では愛知県開発審査会基準16号の許可が必要となります。

https://www.pref.aichi.jp/kenchikushido/04kaihatutakuzou/01tokei/02kizyun/aichi_shinnsakaikijyun16.pdf

 

買主の条件は緩いのですが、

売主の条件は厳しいです。

死亡・重度障害・破産 または、

10年以上適正に利用した上での転勤、定年、廃業など

の理由が必要です。

※あくまでも建物の売買に許可が必要なので、

建物を解体して土地を売買するのは自由です。

 

また、16号の許可を得て居住した建物や、

再建築した建物も同様に、売るには上記条件が

かかってきます。

 

逆に、調整区域でも売ったり買ったり

自由にできる建物もあります。

 

それは、その建物が

自己の用として許可を受けていない建物です。

 

少し分かりにくいので大雑把に言うと、

以下のような建物は調整区域でも自由に売買できますし、

再建築も賃貸物件として貸すこともできます。

 

・既存建物またはそれを建て替えた建物

(昭和45年以前からその地に存在した住宅)

 

・土地収用で引っ越した際に建てられた建物

 

その他既存宅地上には賃貸住宅も建築可能なので

住宅の場合は賃貸に出ているケースもまれに

あるようです。

※賃貸住宅はOKですが、賃貸店舗・事務所は不可です。

 

事業用テナント募集の看板のある建物が

調整区域内にチラホラ見られますが、その多くが

都市計画法違反の物件だと思われます。

 

地域からの苦情等があると行政から指摘を受け、

改善命令を受ける可能性があります。

 

調整区域の不動産は売買も賃貸もそれなりの

知識が必要なので調整区域に強い不動産屋か、

開発が得意な設計士にアドバイスを受けながら

進めることをお勧めします。

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